昨日の続きです。
【「分類」ではなく「強弱」を見る】
*そもそも上のチェック項目は占いのように「あなたは●●タイプの人です」と、人をいくつかのタイプに分類するものではない
*もともと、誰しも8つの思考行動パターン及び職務指向欲求のいずれをも持っている
*しかし、その程度にはそれぞれの「強弱」がある
*その強弱によって、個人個人、モチベーションを上下させる要因が変わってくる
【思考行動パターンを知るための項目】
*A.ドライブ要求が多かった人
・「ドライブ欲求」とは、自力本願で強くあることを望み、強い意思を持とうとする欲求
・「プロセス」よりも成功や勝利と言った「結果」を重視する
・数字など結果が明確になる分野でライバルと競争的な環境に置かれた場合、モチベーションがアップする傾向にある
・目標や結果があいまいなことにはストレスを感じる
●モチベーションがアップしやすいシーン
・自分の影響力の大きさを実感したとき
・達成すべき目標やライバルが、明確になったとき
●モチベーションがダウンしやすいシーン
・権利や権限が剥奪されたとき
・周囲が低い業績を容認したり、高い業績に対して無関心だったとき
*B.ボランティア欲求が多かった人
・「ボランティア欲求」とは周囲の要求に応えることで葛藤を避け、他者に尽くそうとする欲求
・人から必要とされたい、よりよい人間関係を保ちたい、という指向を持つ
・目標達成までの過程のあり方を重視し、自分のことよりも他人のために頑張ることで大きな力を発揮する
・これからすべきことの意味や周囲への貢献度をしっかりと伝えられ、その貢献に対し感謝の気持ちを示されることが、何よりも大きなモチベーションアップの要因となる。
●モチベーションがアップしやすいシーン
・周囲の人から頼られたり、相談されたとき
・貢献への感謝と励ましをもらったとき
●モチベーションがダウンしやすいシーン
・自分の貢献に対して周囲が無関心であるとき
・不誠実な対応がなされたとき
*C.アナライズ欲求が多かった人
・「アナライズ欲求」とはあらゆる事象を分析的にとらえ、複雑な物事を究明したり真理を追究しようとする欲求
・複雑なことを考えることを得意とする半面、大雑把な物事や合理的な意味付けのできない仕事に対してストレスを感じる
・フラストレーションを少なく業務を遂行するためには、まず、その業務の背景や意義、ロジカルなアプローチ方法を理路整然と理解してから、行動に移すことがポイントになる
●モチベーションがアップしやすいシーン
・自分の知識や経験が高く評価され、自尊心が満たされたとき
・興味の対象を深く掘り下げる機会を与えられたとき
●モチベーションがダウンしやすいシーン
・一貫性の無い(矛盾した)指示や、期待にされされたとき
・非生産的な会議などに出席するとき
*D.クリエイト欲求が多かった人
・「クリエイト欲求」とは豊かな想像力や自由な発想から物事を感覚的にとらえようとする欲求
・自分の個性的な発想に基づいて、自由に行動することを好む
・自分らしさを表現したいという欲求やこだわりが強い半面、既存の詳細な決まりごとや堅苦しい枠に囚われることを嫌う
・業務のやり方を事前に決められ、そのとおりに実行することに強い抵抗を感じるため、物事の大枠だけを与えられ、細かい方法を個人の創意工夫に任せられると、モチベーションがアップする傾向にある
●モチベーションがアップしやすいシーン
・斬新な取り組みが注目されたとき
・独自の発想やアイディアを周囲から期待されたとき
●モチベーションがダウンしやすいシーン
・形だけの手続きや、煩雑なルールに則した仕事するとき
・独創性が制限されたとき
*E.が多かった人⇒ゼネラリスト指向
・組織や職場での一体感を重視し、組織成果の極大化を目指そうとする「組織重視指向」
・広範囲は知識や経験を持とうとし、組織のためにそれを活用しながら、個人の個性や技能を全体最適の視点からとらえようとする傾向がある
●モチベーションがアップしやすいシーン
・組織の連帯感や一体感を肌で感じるとき
・各人が組織全体の視点を共有しているとき
●モチベーションがダウンしやすいシーン
・自分の視点やペースにこだわる人同士の対立に直面したとき
*F.が多かった人⇒スペシャリスト指向
・個人成果の最大化を目指し、自分の裁量で物事を進めようとする「個人重視指向」
・特定の分野についての深い知識や優れた技術を持とうとし、専門能力を開発・発揮しようとする。
●モチベーションがアップしやすいシーン
・特定の分野で専門性を発揮できるとき
・自分のペースで仕事を進められる状況に身をおいたとき
●モチベーションがダウンしやすいシーン
・個人の専門性や技能を軽視する風潮に身をおいたとき
・自分に無関係と思われる知識の習得を要望されたとき
*G.が多かった人⇒ハンター指向
・旧来の制度や概念に囚われず、新しい分野で果敢に挑戦しようとする、革新・開拓を好むタイプ
・未知の領域で試行錯誤しながら、しかもスピーディに価値を生み出そうとする「狩猟民族」
・不透明で変化の激しい市場で商品のライフサイクルが短く、オリジナルティの高い商品や技術を継続的に開発することに向いている
●モチベーションがアップしやすいシーン
・今までに無かった新しい観点や手法を実践するとき
・既存の枠組みを壊したり、変革するとき
●モチベーションがダウンしやすいシーン
・過去の慣習や手続きの壁に直面したとき
・決められたことを、決められた方法で行うことを要望されたとき
*Hが多かった人⇒ファーマ−指向
・既存の仕組みや考え方に習熟し、特定領域の経験を蓄積しようとする維持運用タイプ
・自分の担当業務をじっくりと深めながら、現状を維持し、何かを改善しようという指向が強い「ファーマ−」傾向が強い
●モチベーションがアップしやすいシーン
・定型業務の中で、習熟度の向上が実感できたとき
・業務の手順化やパターン化を要望されたとき
●モチベーションがダウンしやすいシーン
・これまでの見方や手法を否定されたとき
・目的や方法に関して明確な指示が無いとき
以上、こんなことに気をつけるといいみたいですよ。