誰でも心から求めているものなのに、その形が漠然としているのでは、捕まえるのがますます難しくなります。
そこで、「断片」に目を向けるのです。「断片」に目を向けると、幸運が見つかりやすくなります。
たとえば一日の始まりにだけ目を向けてみましょう。
朝、すっきり目が覚めたらそれだけでもいい気持ちです。
たとえ瞬間的なものであっても幸運、そして幸福を見つけるのは難しくありません。
アメリカの女性詩人メイ・サートンの幸福に関してのとても有名な言葉があります。
「幸せとは「瞬間」的なものだ。ほとんど毎日、幸せな瞬間なら、少なくとも一度はある。」
確かにそのとおりです。見つけにくい幸福も、一日の中にある無数の断片に目を向ければ、誰でも見つけることができます。
ところが、その幸福を自分から見逃す生き方を選ぶ人がいます。一日の断片に目もくれずに、悩みや不満とだけ向き合う人です。
あるいは、現実を飛び越えて、すぐには手の届かない世界だけに目を向けている人です。
そういう人たちが、幸運や幸福からどんどん遠ざかっていきます。不機嫌な毎日を送ることで、その断片すら感じ取れなくなってしまうからです。
どう生きれば幸運に出会えるか、そして幸福になれるかというのは、とても難しい問題です。
しかし、どう生きれば幸運に気づくか。あるいはどう生きれば自分の幸福を実感できるかというのは、それほど難しい問題ではありません。