すると、気持ちが穏やかになって精神状態がとても良くなります。
つまらないことでイライラしたり、あるいは他人の言葉や態度をいちいち気にしたりすることもなくなります。
それどころか、なんでもないことが嬉しくなったり、自分にとって「いいこと」のように思えてきます。
つまり、悪いことは心に残らず、「いいこと」だけが心に残るのです。
■ 「私も悪かった」と思うと心が楽になる
親切な人には好意が返ってくる。意地悪な人には悪意が返ってくる。
こうして言葉だけを並べてみると、まるで寓話の教訓のようですが、
心理学的にも説明できます。
実際、私たちの周りを見渡しても、幸せそうな顔をしている人はいつもニコニコと機嫌がいいし、他人に対して親切で思いやりがあります。
それは、この人が親切だから他人にも好かれ、好かれることで幸せな気分になって機嫌が良くなるという好循環にいるからです。
不機嫌な人は、たいていの場合は自分の不機嫌が相手のせいだと思っています。
心の中に苛立ちや不満をため込んでいるとしても、それは相手や周りのせいだと思っていますから、自分は少しも悪くないのです。
では「自分は悪くない」と思えば、気が済むでしょうか?
「悪いのは相手なんだ」と思えば、腹の虫がおさめるでしょうか?
むしろ逆で、いつまでも不機嫌が続きます。
しつこい悪感情に囚われているので、腹の立つことが次々に起こります。
しかも「相手が悪い」と思っている限り、事態は変わりません。
不機嫌な人は勝手に不機嫌になっているのですから、相手も周囲も放っておくしかないのです。
その点、機嫌のいい人にはとても素直なところがあります。
ちょっとした感情の行き違いがあったとき、相手を責める前に自分も悪かったなと認めてしまえるのです。
「しょうがないか。私も悪かったのだから」と考えるのです。
それだけで、とても気持ちが楽になります。
不愉快な思いをしても、その原因の半分は自分にあると思えば、いつまでも悪感情に囚われずに済むからです。